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栄光学園2023年度入試問題 解決までの道②

塾長の独り言 栄光学園2023年度入試問題 解決までの道②

      前回の続きは

 前回の投稿では、2023年度栄光学園中学大問3をご紹介しました。今回は、その続きです。

 

      では解説を…

 まあわりとよく見かける問題で、算数が得意な子なら10分もあれば正解にたどり着けるでしょう。

 

(1)2023→2024→1012→506→253→254→127→128→64→32→16→8→4→2→1

                                     よって14回

(2)例えば[3]と[5]と[6]について考えてみます。

        

          3→4→2→1 より、[3]=3回

      5→6→3→4→2→1 より、[5]=5回

        6→3→4→2→1 より、[6]=4回

 

つまり5のような奇数の操作回数を求める場合、①まず1を加えて6にし、②つぎに6を2で割って3にするところから始まります。しかし[6]のような偶数であれば、2で割る操作を1回するだけで3にすることができます。いずれの場合も3になったあとは、3を1にする操作回数である3回を付け足すだけで良いわけです。したがって[5]=2回+3回=5回、[6]=1回+3回=4回…と求めることができます。

 このようにして、ある数の操作回数は、それまでに求めた数の操作回数を参照することでつぎつぎに求めていくことができます。

 次のように整理すると、同様にして[7][8]は[4]を参照し、[9][10]は[5]を参照し、[11][12]は[6]を参照し…それぞれの操作回数をつぎつぎに求めていけることが解りますね。

    A   [A]

   2  1回

   3  2回+1回=3回

   4  1回+1回=2回

   5  2回+(2回+1回)     =2回+3回=5回

   6  1回+(2回+1回)     =1回+3回=4回

   7  2回+(1回+1回)     =2回+2回=4回

   8  1回+(1回+1回)     =1回+2回=3回

   9  2回+(2回+2回+1回)=2回+5回=7回

   10  1回+(2回+2回+1回)=1回+5回=6回

   11  2回+(1回+2回+1回)=2回+4回=6回

   12  1回+(1回+2回+1回)=1回+4回=5回

   13  2回+(2回+1回+1回)=2回+4回=6回

   14  1回+(2回+1回+1回)=1回+4回=5回

   15  2回+(1回+1回+1回)=2回+3回=5回

   16  1回+(1回+1回+1回)=1回+3回=4回

   17  2回+(2回+2回+2回+1回)=2回+7回=9回

   18  1回+(2回+2回+2回+1回)=1回+7回=8回

   :

   :

   :

   32  1回+(1回+1回+1回+1回)=1回+4回=5回

 

 このように考えると、[16]=4回を参照することで[32]=1回+4回=5回となる整数32の出現を予測することができ…正解は5、12、14、15、32となります。

 

(3)ここまで解ってしまえば、同様の手順でスピーディに正解を導くことができます。ぜひ、ご自分でお試し下さい。

 

     しかし本題はここから…

 …さて本題はここからなのです。ここから先は上の内容を十分にご理解なさった上で、お読み下さい。

 

 わたしが1週間ほど考え続けたというのは…。

 

 上のように整理してみると、何かお気づきになりませんか? そうです。「[A]を求める式は、すべて1回と2回の和で出来ている」んです。これを不審に思ったわたしは①「2回」をすべて「0回」に変換して書き直し、②それらを右から逆順に並べ替えてみました。

 

 例えば…

 

   [14]=1回+2回+1回+1回 

  この式の「2回」を「0回」に変換すると1回+0回+1回+1回。

  右側から逆順に並べ替えて「+」を省くと…1101

 

 この1101をわたしは2進数ではないかと考えました。そこで1101を10進数に換算すると、なんと13! 14より1だけ小さな数だったのです。

 何かの偶然ではないかと疑い、他の数についても試してみました。

   A        [A]     2を0に変換   逆順に  10進変換

   :

   10  1+2+2+1    1001  1001   9

   11  2+1+2+1    0101  1010   10

   12  1+1+2+1    1101  1011   11

   13  2+2+1+1    0011  1100   12

   14  1+2+1+1    1011  1101   13

   15  2+1+1+1    0111  1110   14

   16  1+1+1+1    1111  1111   15

   17  2+2+2+2+1  00001 10000    16

   18  1+2+2+2+2  10001 10001    17

 

もはや疑う余地はありません。

[A]を求める式は…Aから1だけ引いて2進数に直した数と、記号的に一致していたのです!!

つまり…

(1)[2023]を求めなさい。

 

   2023-1=2022

   2022は2進数に治すと…11111100110

   「0」を「2」変換して…11111122112

   これを逆順に並べ替えて…21122111111

   各桁の数の和を求めると…

   [2023]=2+1+1+2+2+1+1+1+1+1+1

        =14

                                      よって14回

 

 …となるわけです。

 なんと美しい!!!…とわたしは感動しました。

 しかしここから先がわたしの苦闘の始まりでした。

 この美しい仕組みを、論理的に演繹して解明しなければなりません。

 

     斉藤先生が自分に課した問題は…?

問題

 [A]を求めるには、2進数として表した

A-1の各桁にある「0」を「2」に変換した上で、各桁の数の和を求めればよい。その理由を説明しなさい。

 

 さて、これの解説は、長くなるので、また次回に発表いたします。

 それまで、どうか皆様もご一緒に考えてみて下さい。では。

 



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